書簡:スポーツに関しては「するのが当たり前」な環境で育ちました

Y様

こんばんは、返信いただきとても嬉しいです。
嬉しかったのでもっと書いちゃいますね!(^^)

僕自身もスポーツに関しては「するのが当たり前」な環境で育ちました。
小中のときの野球もその先甲子園に行くことを目指してやっていましたし、だから入った高校では甲子園に行けないとだろうと考え、インターハイに行けそうな部活に入ったんです。それは軟式テニスだったんですが、親が国体選手だったので初心者で始めてもいけるんじゃないかと思ったんですね(笑)。中信地区では優勝できましたが、でもちょっとインターハイには届きませんでした・・・(^^;)
大学では軟式テニスはなかったので、バドミントンと硬式テニスとどちらかにしようと思って、大学1年の時は2つの体育会を掛け持ちでやったんです!テニス部の練習は昼間、バド部の練習は夜だったのでほんとに毎日スポーツばっかりでした(^^)。その後2年生からは硬式テニス一本にして、以来現在まで硬式テニスが僕のメインのスポーツになっています。でもとにかくいろんなスポーツをやってきました。

ところがです、子供が生まれて、当然のようにスポーツ大好きなんだろうとおもったら・・・
これが違ったんですね!(笑)
「スポーツ選手育てよう」くらいなつもりでいたのですが、それにそんなに運動神経がいいようにも見えない。(ちなみに妻の直子(スポーツ教室も一緒にやっています)も小さい頃からバスケやってて体育会系だったんですけどね・・・)

でも、そんな娘たちから逆に学んだんです。

上の娘も高校生ですがいま運動が大好きになっています。
でも、小学校のときも中学校のときも引っ込み思案で、「部活」的なものに馴染めなかったんですね。
なので帰宅部で学校終わるとすぐ家に帰って来ていました。でも体を動かすことは嫌いじゃなかったんです。

下の娘もガツガツやるタイプではなかったので、小学校の頃はお遊びな感じのサッカー教室で楽しくやっているだけでした。

そんな二人を見ていて、「こういう子たちが目を輝かせてスポーツできる場があったらいいのにな」と思ったのです。

「運動が嫌い」というのは、実は運動が嫌いなんじゃなくて、従来のやり方が合わないだけなのだと。

そこで自分の娘たちと定期的にいろんなスポーツをやり始めたんです。特に学校の授業でやっているものなんかのコツを教えたり練習したりして。ちょっとしたコツで「苦手意識」を克服できればきっと楽しくなるだろうと。

結果、いまでは二人とも運動が好きになりました。そしてこの経験を通して気づいたのです。

僕の周りには学生の頃までハードな練習をして成績も残していたスポーツ選手だったのに、いまではなんの運動もしていない、しようという気力もない人たちが大勢います。
多くは社会人になってからまったく動いていなかったりします。

それをみて、果たして運動ってそういうものだろうか?と疑問に感じました。
もっと生涯楽しみ続けらるものじゃないかと。

でもその人たちはきっと燃え尽きてしまったのかもしれません。
そしてスポーツは「勝つためにやる苦行」だったのかもしれません。
僕自身はそう感じたことはありませんでした。でも、もし娘たちがそのようなスポーツをしていったら、得意だけど嫌いになっていたかもしれません。

そう思った時、このような場を必要としている子供は自分の娘たち以外にもいるにちがいないと感じたのです。そしてきっとそういう子たちは、もしかすると「なぜ運動をするのか」ということに素直なのかもしれないのです。

僕が子供の頃は経済成長時代で社会の答えがわりとはっきりしていました。スポーツも勉強も、ピラミッドの頂点を目指して競争すること、そこに社会の答えがありました。だから迷いなくのめりこめたんだと思います。でも今は時代が全く違います。本当に全く違うんです。大人は過去の記憶、成功体験にひっぱられます、でも子供はもっとシビアに、今の現実を捉えて生きているんだと思います。

だから子供たちに生き方を「教える」ことはできない。できるのは子供達が素直な感性で感じ取ったことを親である僕たちが一緒に考えて答えを協力して見つけて行くこと。子供の感性と大人の知識経験、そこには優劣はなく、お互いが補い合う存在なんだと。

だからこのまなびデザインスポーツ教室は「教える」場ではないんです。知識や経験を伝えます、でも一緒になって考えて行くことしかできないんですよね、でもそれが必要なんだと思うんです、子供達の将来にも自分たちの将来にも。実際この2年間で僕はとても多くのことを子供達から学ばせてもらいました。そして嬉しいことに、そんな考えに賛同してくれる親御さんたちもその輪に自然に溶け込んで一緒にスポーツを楽しんでもらっているんです。

ですので僕も本当に毎回毎回レッスンを楽しみにしているんです。

また長くなってしまいました!

それでは明日!おやすみなさい(^^)

飯沼